ミチロウ

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのミチロウのレビュー・感想・評価

3.8
アキ・カウリスマキ監督のオフビート・コメディ。
レニングラード・カウボーイズ(以下レニグラ)の演奏はとてもうまいが、最初はフォークロア的な音楽で、如何にも共産圏的な直立不動。
それがアメリカを旅しながら西側のポピュラーを学び吸収していき、アメリカ育ちの親せきが入ることでついに客をノセることができる。
しかし、西側の感覚に近づけば近づくほど、音楽的にはつまらなくなっていく。
最後はホームシックになり、自分たちのルーツが音楽にも戻ってくる。
外の文化に触れ、吸収融合することで枠を広げ、最終的にはルーツ回帰をしてオリジナルなものが生まれる。これは音楽文化が繰り返してきた歴史。それを成長と挫折という文脈ではなく、シンプルなロードムービーとして描いたところにこの映画の価値がある。
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