クシーくん

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのクシーくんのレビュー・感想・評価

3.6
ダラダラ観る分には心地良いロードムービー。サングラス・スーツのいでたちはてっきりブルース・ブラザーズのパクりなのかと思ったら、本作でバンドメンバーを演じているスリーピー・スリーパーズ自体が元々こういうスタイルでバンドやってる人達らしい。なにそれ。

トンガリ靴にトンガリリーゼント一族が本国でウケないので、半ば騙されるかのようにアメリカへ旅立ち、演奏を続けながら段々と成長していきそうでそうでもない話。
大雪原から荷車みたいなので移動してたので、アメリカにどうやって渡る気なんだ…からの普通に空港着いて飛行機に乗ったのは笑った。

酒飲んでる時と殴られた時以外はバンドメンバー全員バスター・キートンばりに無表情なのも愛おしい。マネージャーが搾取しまくりの横暴な男で車に乗れないメンバーはトランクに座らされたり、食事も玉ねぎ一個ずつとかしか渡さない。とうとう我慢の限界に来たメンバーが突然の反乱、マネージャーを縄でふんじばって皆でやりたい放題するが、縄が解かれるや否や再び形勢逆転、「民主主義が戻ってきた」という字幕の一見皮肉がこもっているようで、なんら考えてなさそうなギャグ好き。

ロシアン・フォークしか知らなかった連中が行く先々で二度と来るなと石もて追われ、アメリカの音楽を色々と吸収していった結果、最終的にはメキシコでそこそこ著名なバンドになっていく。途中アメリカの親戚に会うまではわざとらしいぐらいダサい感じに徹してるのが一周してカッコイイ。

終始ふざけ倒してる映画なのに、最後はちょっぴり哀愁が漂っている。
「その後彼を見た者はいなかった…」って言ってるけど、続編出てません?
クシーくん

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