ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観て、マッティ・ペロンパーつながりで本作を観てみると、なんとこちらにはジャームッシュも出ていました。
『ナイト~』を観た時、5つの舞台の一つがなぜヘルシンキ? と思ったんですが、アキ・カウリスマキ監督とペロンパーへのリスペクトだったんですね。今さらですが。
強烈なビジュアルで前から気になっていた本作、架空のバンド“レニングラード・カウボーイズ”が故郷シベリアからアメリカ・メキシコへと遠征する道中を描くとぼけたコメディ・ロードムービー。
この調子で2時間はちょいと辛いかもと思ったら、78分なのでちょうどお手頃。
パッと見、何かの宗教と勘違いされかねないバンドのメンバーは10人ほどの大所帯。
あの髪の毛の量が羨ましい。イゴールには勝ってますが。
序盤では“ポーリュシカポーレ”や民族音楽のような曲を演奏していましたが、移動する場所に合わせてロックやカントリーなど様々な曲調に変化していきます。
最初は不発続きでしたが “ボーン・トゥ・ビ・ワイルド”の頃は客もノリノリ。
マネージャー役のマッティ・ペロンパーの他は当時のフィンランドの“スリーピー・スリーパーズ” という実在のバンドのメンバーだそうで、この映画が話題となったのを機に“レニングラード・カウボーイズ”に改名して現在も活動中だとか。
後半はアメリカやメキシコ・ロケのはずなのに、なぜかずっと北欧の寒々とした映像に感じられつつもサボテンがあったりして不思議な光景。
メキシコからシベリアへ帰る道中を描いた続編『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』もあるらしいので、またそのうち観てみます。