ナツミオ

招かれざる客のナツミオのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
4.4
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞

”肝心なことは2人の気持ち”

親目線で観たので、中盤から涙腺緩みっぱなし……
人種問題を絡めた社会派ホームドラマ。
名優たちの演技、よく練られた脚本、良かった〜‼️

娘の結婚相手が黒人だったことに戸惑い、葛藤する白人夫婦を描くヒューマンドラマの名作。

アカデミー賞10部門ノミネート
(作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・編集・美術・編曲賞)
2部門受賞(主演女優キャサリン・ヘプバーン、脚本ウィリアム・ローズ)

英国アカデミー賞2部門受賞(主演男優賞スペンサー・トレイシー 、主演女優賞 キャサリン・ヘプバーン)

原題 『Guess Who's Coming to Dinner』(「今日のディナーに(悪い意味で)誰が来ると思う?」

1967年米作品
監督・製作 スタンリー・クレイマー
脚本 ウィリアム・ローズ
音楽 フランク・デ・ボール
撮影 サム・リービット
出演 スペンサー・トレイシー シドニー・ポワチエ キャサリン・ヘプバーン 

日本語字幕 松岡葉子 

(NHK番組内容より)
娘の結婚相手が黒人だったことに戸惑い、葛藤する白人夫婦を描くヒューマンドラマの名作。
夫婦を演じるのは、数々の名作でコンビを組み、私生活でもパートナーだった名優キャサリン・ヘプバーンとスペンサー・トレイシー。ヘプバーンは2度目のアカデミー主演女優賞を受賞し、スペンサーはこれが遺作となった。黒人青年を演じるのは今年1月に亡くなった名優シドニー・ポワチエ。製作・監督は社会派のスタンリー・クレイマー。

・偏見は白人だけでなく、同じ黒人も持っていることに人種問題の根深さ、長い歴史を痛感する。

・一人娘のジョーイ。
リベラルの両親に育てられ自由な発想、若くそのバイタリティで周囲が巻き込まれていく。悪い意味ではなく、それが結果的に良かった。
演じたキャサリン・ホートンは、キャサリン・ヘプバーンの実の妹の娘、姪っ子なんですネ⁈
書斎の写真は、本当の写真っぽい。


印象のシーン(ネタバレあり)
・ドレイトン家に好奇心から訪れたヒラリー。
人種差別的発言で、オーナーでもある母クリスティーナの逆鱗に触れ、スマートにクビに‼️

ここで彼女の娘への気持ちがハッキリとわかるシーン。
途中、目に涙を溜めるシーンが何回もあるが、同時に涙腺緩む。
母親の想いの表現‼️
2度目のアカデミー主演女優賞受賞も納得‼️‼️

・アイスクリーム屋から出る時の事故シーン。悔しがる夫マットに笑いを堪える妻クリスティーナ。

・ジョン(ポワチエ)の母役、ビア・リチャーズもクリスティーナと共闘し、マットに想いを突きつけるところも涙腺崩壊‼️
これはマットへの最後の一撃⁈

・最後のマットの意思表明

”肝心なことは2人の気持ち
 愛情の深さ 絆の強さ
  それが私たち夫婦の半分もあれば…
   大丈夫だ!“

同席した家族たちと同じく涙腺大崩壊‼️

時代が変わっても、
親子の愛情、子の幸せを願う親という、普遍的なテーマと社会派ドラマを絡めた、
ラストの終わり方と音楽もイイ余韻を残す名作、傑作でした‼️



AFI ”情熱的な映画ベスト100“(2002)
の第58位に選出。

AFI ”感動の映画ベスト100“(100 Years…100 Cheers: America's Most Inspiring Movies)(2005)
の第35位に選出。



【忘備録】ネタバレあり
登場人物
・マット・ドレイトン Matt_Drayton
演 - スペンサー・トレイシー
新聞社社長。リベラリストとして娘の結婚を理解しつつも認めることができない。

本作撮影後、急死。最後の作品となった。

・ジョン・プレンティス John_Prentice
演 - シドニー・ポワチエ
世界的に高名な黒人医師。妻子を事故で失った過去を持つ。結婚への障害を現実的に理解している。

1976年には女優のジョアンナ・シムカスと再婚し二女がいる。そのうちのシドニー・ターミア・ポワチエは女優。
本作を地でいく結婚。

・クリスティーナ・ドレイトン
Matt_Drayton
演 - キャサリン・ヘプバーン
マットの妻。娘の結婚にとまどうが娘の幸せを思って結婚に賛成する。

トレーシーとは9作品で共演した名コンビ。
私生活でもパートナーであり、彼の晩年は別居中の妻と交代で看病したというエピソードは有名。トレーシーの遺作となった本作をヘプバーンは観ていないそう⁈
アカデミー主演女優賞4回受賞は彼女だけ‼️
AFI「映画スターベスト100」(1999)で女優部門の1位に選出。まさに名女優‼️

・ジョアンナ(ジョーイ)・ドレイトン
Joey_Drayton
演 - キャサリン・ホートン
ドレイトン夫妻の娘。ジョンとの結婚に障害などないと信じ切っている。

キャサリン・ヘプバーンの実の姪っ子。

・ライアン神父 Monsignor_Ryan
演 - セシル・ケラウェイ
ドレイトン夫妻の友人。ジョンとジョーイの結婚を心から祝福する。

彼の援護射撃も良かった。

・ジョンの母親 Mrs._Prentice
演 - ビア・リチャーズ
息子が白人女性と結婚することに驚きつつも、息子を信じて結婚に賛成する。
クリスティーナに共感し、若い2人の気持ちが1番。マットへの痛烈な想いをぶつけるシーンは涙腺緩む。

・ジョンの父親 Mr._Prentice
演 - ロイ・グレン
苦労して育てた息子の結婚を認めることができない。
息子ジョンとの親子対決、最後まで顰めっ面だったが、最後、マットに説得された⁈

・ティリー Tillie
演 - イザベル・サンフォード
ドレイトン家の黒人家政婦。ジョンを認めようとしない。
黒人側にも偏見があるキャラクターは、人種問題の根深さを示した良いキャラクター。

・Hilary_St._George
演- Virginia Christine
クリスティーナがオーナーの画廊の責任者。興味本位のお節介と人種差別的発言でクリスティーナの逆鱗に触れ解雇される。
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