にこ

招かれざる客のにこのレビュー・感想・評価

招かれざる客(1967年製作の映画)
3.8
題だけ見て私は勝手にサスペンス系かと勘違いしていました。差別問題を扱ったホームドラマのような映画でびっくり。

いいところの白人家族の娘が黒人を結婚相手として連れてきて、両親は差別はしないといいつつも、我が娘が黒人と結婚するということに困惑を隠せない。
その黒人も医者であり、本当によく出来た優等生でケチのつけようがなく、ただ"黒人"であるということが問題なだけ。
そんな二人の結婚を巡って白人夫婦、黒人夫婦、牧師、家政婦と皆の考えが衝突する様がずっと描かれる。

この映画の中で私が一番この時代を表してるのかなと思った人が黒人の家政婦。
この家政婦は二人の結婚は猛反対。というより連れてきた黒人に対して疑惑を持ち、なにか企んでいると考え罵声を浴びせるのだけど、同じ黒人だというのに白人との結婚は考えられない。黒人であるが故に身分の違いで結婚なんて考えてられないという考え方を持っているのが、この時代の環境で育った人に根付いている意識の現れなんだと思ったのです。

そしてこの映画で面白い!と思ったのが2人が結婚して、子供を産んだら大統領にしたい、なんて発言をしているもんだから、驚いた。
この映画の制作当時はありえないけれど希望としてのセリフだと思うのだけど、
実際、オバマ大統領が誕生している。
そんなオバマ大統領は両親が父親が黒人、母親が白人であり、この映画の数年前にオバマは誕生しているのだ。時代背景も同じで、まるでオバマ大統領誕生を予知してたかのような設定には驚きが隠せない。
にこ

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