Masataka

復讐するは我にありのMasatakaのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
3.4
何も知らないまま観て、タイトル通りに主人公には殺人を犯さねばならぬ深い復讐心があるのだろうと思ったら、全く微塵もそんなことはなくただキチガイじみた衝動と純粋な欲望や保身のためだった。
調べるとこのタイトルは新約聖書の一節で、キリストの言った言葉だった。悪人を裁くのは神であるという意味で、原作者はただ主人公を肯定も否定もせずに小説を書いたことからこのタイトルになったらしい。言われてみれば確かに、主人公に寄り添うことも突き放すこともなく、描いているように見える。

九州出身の僕から見ても緒形拳らの方言は完璧で、地方を転々とするロードムービーの趣きがある。登場人物に感情移入などできないけど、昭和的エロスとバイオレンスが好きな人には堪らないだろうなと思う。それらのエネルギーが最後まで消えないドロドロとしたサスペンス映画だった。
最後のシーン、意味深なストップモーションは何が言いたかったのだろう…。
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