ロアー

ザ・トレンチ 塹壕のロアーのレビュー・感想・評価

ザ・トレンチ 塹壕(1999年製作の映画)
3.2
私の苦手な戦争映画です。
軍服姿のダニクレと18歳のウィショ君のためならと頑張って観ました。

でも実は「1917」観たことで、戦争映画への苦手意識ちょっと薄れてきてたりして。
今作は「1917」で描かれていた1917/04/06のおよそ1年前、1916/07/01の「ソンムの戦い」を描いた映画。2時間でおよそ6万の兵士が死亡したという歴史に残る悲惨な1日だったそう。

タイトルが「塹壕」ということもあって戦闘シーンは少なめ。塹壕でキャキャっとすけべ写真で盛り上がったりするも、先の見えない漠然とした不安に苛まれる一等兵たちの様子がメインです。戦いで死んでいった若い兵士たちが、本当にごく普通の青年たちだったということを強調してる作品でした。

「1917」の感想では官職がみんな推しって騒いでたけど、今作は一等兵に推しがたくさん。まずウィショ君、それからキリアン君にジェームズ・ダーシー、そして役職付ですが軍曹のダニクレ。

ダニクレとウィショ君、最初の方でウィショ君がダニクレに胸ぐら掴まれるぐらいで共演って感じでもないんですが、007の他は大体そんな感じなので、もう一緒の作品に出てれば共演ってことでいいんです、そういうことでいきましょう。

ダニクレはとにかく厳しい鬼軍曹でした。怒鳴ってる時の顔が近い。10cm離れてるか離れてないかでした。あの距離ではもうダニクレの瞳に見惚れる選択肢しかない気がします。怒られても全然頭入って来ないからダメです。
でも鬼軍曹と言いながら本当は優しいダニクレです。おぼっちゃま育ちの上官を励ましつつ、部下を叱りつつの中間管理職で、自分の命令に部下の命が左右されてしまうという厳しい立場で勇ましく頑張ってました。あっ、いちごジャムは私がもらってあげるからね。

そして、ウィショ君はまるきり天使でした。
仲間がショックを受けてるとみるやすぐに慰めてあげようとする戦場の天使だったんですが、みんなピリピリしてるので「放っておいてくれ!」と言われがちでかわいそうでした。
あっ、紅茶は私がもらってあげるからね。ダニクレのジャムとウィショ君の紅茶で、ロシアンティー作れるね。

それにしてもウィショ君、両手でマグを持つ姿とか、記念写真撮る時の猫背でちょこんと座ってる姿とか「帽子をとって」って言われてるのに旗を持つのに忙しくて脱げてないとことか可愛すぎてびっくりでした。ラストの座り方まで可憐でびっくりです。ペタンって!戦場でペタンって!
あんなのもう、森のかよわいバンビ撃つのと一緒だから、逆に敵も怯むんじゃない?(もしやそういう作戦?)
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