Casablanca

トム・ホーンのCasablancaのネタバレレビュー・内容・結末

トム・ホーン(1980年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

封切時に映画館で観たが、改めて見直してみて、よい映画だなと思った。
牛泥棒たちを退治する際には、必ず相手に先に撃たせてから、撃つという西部の掟を守り通していること。一人逃した若者は、トム・ホーンに銃を向けなかったから。
そのため、丸腰の若者を背中越しに射殺したのは、断じてトム・ホーンではないことが分かる。
冤罪を受け入れたのは、失恋が原因では?
絞首台が自重で床が落ちる仕組みと聞いて「自殺と変わりないな」と語っているのが、その証左では。
制作者でもあったマックイーンのベテラン俳優に対する気遣いが感じられるのも、良い。この点クリント・イーストウッドに通じるものがある。
例えば、
厩管理人のエリシャ・クックJR(「シェーン」でジャック・パランスに真っ先に射殺される地元住民)は馬の管理を任される。
保安官助手のスリム・ピケンズ(かつて核弾頭を馬に見立て跨って飛行した猛者)は、絞首台でトムに感情移入して泣きそうになるのを、逆にトムから堪えろと諭される。
同じく保安官助手のチャック・ヘイワード(ジョン・ウエインの付き人のような人)も留置されているトムに一目置いてボードゲームの相手をしたりしていたが、トムに一度は脱獄を許してしまうものの、絞首直前に「手荒な真似をしてすまん」と謝罪される。
小さな役でも、こんなリスペクトが見て取れると、いい場面だなと感じてしまう。