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セデック・バレ 第二部 虹の橋のmhのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

度肝を抜く終わり方した前編の続き。
後編は一転、凡庸な反日ドラマが戻ってきてしまう。
前編のラストにスライドテキストくっつけといてくれたら済んだ話を2時間以上かけてやってくれる。
・なにかにつけやり方の汚い日本人。
・なにかにつけ勇敢でかわいそうなアボリジニたち。(自決含む)
・数に勝る日本陸軍。
・身体能力で勝るアボリジニ。
・歌。
これを5セットくらい繰り返す。
ただし、見逃せないトピックもある。
それは毒ガス兵器の使用だ。記録があやふやらしく、その描写もあやふやにしてあった。1930年の話なので十分あり得る話だと思った。
パワハラクソ司令官が急にいいこと言い始めたのは、おれの頭が狂ったのかと思った。
この映画のテーマって、「異文化交流」とか「教育格差」とか「生活水準の急激な進化」とかであるべきだった思うんだけど、安易な反日プロパガンダに逃げてしまった。
「海角七号 君想う、国境の南」「KANO 1931海の向こうの甲子園」を手掛けた監督さんとは思えない豹変ぶり。ようするに歴史に向き合った結果の映画製作ではなく、ただ観客におもねったアジアンエンターテイメントだったのかと判明したのが個人的な残念ポイントだった。
占領下の反体制テロリストが、主権回復後に英雄として祭り上げられるのは既定路線なんだろうけど、そのあたりもちゃんと描いてほしかった。
前編だけ見てそこで止めときゃよかったというのが率直な感想。
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