さわら

セデック・バレ 第二部 虹の橋のさわらのレビュー・感想・評価

3.5
先日鑑賞した第1部、「信仰」と「文明」の対立を、客観的にそして冷静に見つめた秀作であった。そして今回、第2部を鑑賞した。1部とは異なり、明らかにモーナを中心とする、セデック側に肩入れした映画となっている。監督の原住民崇拝と言うべきか、極端にセデックを神格化するあまり、日本人鑑賞者からの反発も避けられないような作品だった。それよりも、戦いの場面をあそこまで激しく、そして迫力をもって映画化したスタッフ陣に敬服すべきであろう。映画館で見るべき、力のある力作であったと思う。それにしても、争いのなかで犠牲になるのは常に弱い立場の人であると、改めて実感した。セデック側の女たちもしかり、セデック人でありながら日本軍警官である花岡兄弟しかり。そういった、弱い立場の人たちに焦点を当てた映画でも面白かったと思う。