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アルファヴィルのyaaaのレビュー・感想・評価

アルファヴィル(1965年製作の映画)
4.0
おもしろいほうのゴダール(なんじゃそれ)。
ゲップ的?音声のコンピューターが機械のくせに哲学的なことを語って煙に巻こうとするが、話はいたってシンプル。
合理性を追求して人間性の欠落した社会で愛を知る話。
普通のパリを写してSFを構築しようとする実験作だが、ミケランジェロ・アントニオーニの実景の撮り方にSFを感じる自分には違和感がない。
むしろ、セットを組まないというカメラポジションの自由さを手に入れて人物を追う長回しがライブ感を生み出して、リアルに未来都市での出来事のように錯覚する。安上がり効果が奇跡の勝利。
華麗な処刑ショーをはじめ、ぶっきらぼうなギャグがいちいち可笑しい。
愛を謳いながら、人をバンバン殺すのも皮肉なのか。

アンナ・カリーナがすこぶる可愛く美しく撮られていることに、小難しいこと語りながら意外とスケベで人間的なゴダールを感じる。
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