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ミザリーのhzkのレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
5.0

「ナンバーワンのファンなの」

小説家×ヤバいファンin雪山で密室劇。
「私が誰より1番!」なんてラムちゃんみたいなことを宣言し、吹雪の中ひっくり返った車をバールのようなものでこじ開けて気絶した大の男を担ぐキャシー・ベイツが最高。
どんなバケモノよりも恐ろしい。あなたの大ファンなの!看病できて嬉しい!とキュンキュンする乙女モードから一転、ある日突然ブチギレ焦点の合わない目で喚き散らしたと思ったらブタ連れてきたり甲斐甲斐しくなったり投げキッス飛ばしてきたり飽きさせないねぇ。どこでスイッチ入るかわからないヒヤヒヤ感。
15年くらい前に観て以来、これより怖いサイコホラーを知らない。
こんな人、恐ろしいけど実際にいるからなぁ。良い人だと思っても一瞬「ん?」と違和感を抱いたらその疑念は高確率で当たる。気付いちゃった瞬間のジェームズ・カーンの表情が凄い。恐怖と動揺と怒りの入り混じったあの顔。ワンシチュエーションでもダレることなくずーっと緊張させてくれるのはこの主演2人の演技合戦のおかげ。おじいちゃん保安官の有能っぷりも大好き。この人のスピンオフが観たい。
息するのも忘れるくらい心臓バクバクしっぱなしだった分クライマックスが激しすぎて爆笑!溜まってたものが大爆発!なんというカタルシス!めっちゃしぶとい。ずっとやっててほしい。終わってすぐにもう一回観ようかなと思えるくらいクセになる。
タイプライター、古い革のバッグ、一本ずつのマッチと煙草、そしてドンペリニョン!
小道具も最高に良い仕事してます。
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