ぴよまろ

メメントのぴよまろのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
3.8
クリストファー・ノーラン脚本監督作品。記憶が10分で消えてしまう記憶障害を持つ主人公が、妻を殺した犯人を追う、サスペンス。ストーリーが時系列を逆に語られ、終わりから始まりにかけて描かれる。

時間が逆行して語られるため、記憶が10分で消えるという主人公と同じ体験ができるという、とても難解ですが、徐々に謎が明かされていくので、サスペンスとしてのスリルを感じられる作品。時間軸を明確にするために、カラーと白黒映像という表現で、最初は分からなくても、徐々に全貌が掴めるようになるのも、ちゃんとエンタメとして楽しめるようにされているのが最高。クリストファー・ノーラン監督の出世作となったのも納得です。

見ている側が、主人公レナードと同じく、誰が信用できて信用できないのか、さっぱり分からず、一度信用できたとしても次の瞬間には裏切られているという、物語として良い意味での裏切りの連続。そして物語が進むにしたがって、徐々に謎が明るみにされますが、その結果、全員信用できない笑。さらには、あらゆる情報が、叙述トリックでいうところの「信頼できない語り手」でもあるので、どうやっても楽しく騙されます。

エンタメとして楽しめるように作られているとはいえ、難解であることに変わりはないですが、逆に言えば、細部まで計算された見応えのある作品です。
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