ぴよまろ

ゴジラ-1.0のぴよまろのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.0
大戦後の日本を舞台に、特攻兵であった主人公が、現れたゴジラと対峙し、自身の後悔や挫折感に立ち向かう物語。

戦後日本にゴジラという珍しい舞台設定で、主人公の敷島はじめ、生き残って「しまった」復員兵たちの挫折感や虚無感という「終わらない戦争」をゴジラに当てはめ、やり残してきたものを取り戻すまでの物語でした。また海上戦メインということで、深海魚の不気味さ、船の戦いの格好よさ、波で揺れながら戦う人々など、視覚的に格好良かったです。このあたりはさすが。

主人公敷島がゴジラを倒さなくてはいけないという物語の本筋であるため、ゴジラとのアクションシーンは素晴らしいのですが、人間ドラマパートが少し気になりました。説明口調が多かったり、変な間(逃げ惑う人々の中、典子がぼんやりしていたりとか)があったり、敷島と典子周辺が都合よすぎたり(銀座ですぐに会えたり典子がちょっと頑丈すぎとか)と、細かいところが気になってしまいました。

また本作は敷島という個人がゴジラを乗り越えるまでの物語であるからか、ゴジラ自体の深掘りがないため結局ゴジラはなんで東京にこだわるかが見えなかったことも気になりました。

気になる部分も多いですが、アクションシーンは間違いなく素晴らしい作品でした。
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