イチロヲ

緯度0大作戦のイチロヲのレビュー・感想・評価

緯度0大作戦(1969年製作の映画)
4.0
緯度ゼロの次元を抜けて、海底の理想郷へと辿り着いた調査員たちが、悪の科学者による反乱行為が地上世界にまで及んでいることを知らされる。日米のスタジオが合作している、東宝特撮映画。撮影現場では、日本人の役者も英語台詞で芝居している。

ハリウッド側の製作者ドン・シャープは、「ハマー・フィルム」でオカルト作品を大量生産していた人物。一方、悪の科学者役を演じるシーザー・ロメロは、TVドラマ版「バットマン」でジョーカーを演じていた、カルト人気をもつ俳優。

地上とは価値観が異なる、理想郷の描写に醍醐味が集約されている。舞台美術や服飾品など、あらゆるところにサイケ調のレトロ・フューチャーが横溢しており、キッチュな世界観が癖になってくる。女性が肌の露出が多めの衣装を身につけているところもグッド。

主人公機となる万能潜水艦アルファー号の活躍が冒頭部に集中しているため、ミニチュア特撮の戦闘シーンを満足いくまで鑑賞することはできないが、シーザー・ロメロを中心とした抗争劇を純粋に楽しむことができる。俳優諸氏のアンサンブルに酔いしれるべし。
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