ユースケ

JMのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

JM(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

サイバーパンクの第一人者ウィリアム・ギブスンの【記憶屋ジョニー】を、【ブレードランナー】のスピナーをデザインしたフューチャリスト・デザイナーのシド・ミードをビジュアル・コンサルタントとして招き、キアヌ・リーブス主演で映像化した本作は、【マトリックス】の5年前に脳へ直接コードを接続してデータをダウンロードする描写をかましたディストピア好きにはたまらない一本。

肉体が滅んだ後も精神体となって電脳空間で生き続ける巨大企業の女社長、麻薬漬けにされて海の夢を見続ける海軍が開発した解読屋イルカ、電子機器から発生する電磁波が原因の死の病など、サイバーパンクなアイデアが盛り沢山。グローブやヘッドギア付けてハッキングを行うアナログでデジタルを描いたインターネットのビジュアル化は必見です。

しかし、娘を亡くして落ち込むヤクザのボス(北野武)や拷問好きのサイボーグ牧師(ドルフ・ラングレン)など、色物キャラがガンガン登場するのに、キャラクター造形が薄味で全く盛り上がらないのが残念。

とりあえず、大ヒットした【スピード】の次に本作を選んだキアヌ・リーヴスのボンクラっぷりに敬礼しておきましょう。