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天国と地獄のホリのレビュー・感想・評価

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.4
【作品メモ】
ファーストシーンから
絵作りのまとめ方が非常に上手い。
ファーストシーンに入る前に、
キャストとスタッフロールが導入され、
そのバッグには一つの街並みの風景のカットが積み重ねられていく。
その後、ファーストシーンに繋がっていくわけだが、その最初のカットは窓越しから見える街並みのカットとなっている。
【窓越しから見える】ということは、街並み全体を見渡せるような、大きな家内のシーンからスタートすることが、このカットだけで読み解くことが出来る。
主人公(靴の製造に関わる人物)が立つことによって、ファーストカットは主人公の動きを追い始め、家内における複雑な関係性を、カメラの滑らかの動きによって、まとめ上げている。
以下の1~4の動きをファーストカットのカメラの動きによる・一つのカット内に情報をまとめており、空気感が継続されている中で、主人公が何やらトップの方々と、靴の話をすることを違和感なく感じ取ることが出来る。

1 主人公が部屋の明かりを付けようと
電気を付けにいく ー> 
2 電気付近の入口から主人公の
片腕らしき人物が部屋に入ってくる ー>
3 電気が付くと、主人公とその片腕は、部屋の奥の席で待たせている3人組の男のところに向かう ー>
4 主人公が座ろうとする机の上には、
大量の女性ものの靴が並べられている

以上の1~4の内容を
ファーストカットの持続されている雰囲気の中で
情報提示をしている巧みさ。
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