れ

EUREKA ユリイカのれのレビュー・感想・評価

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)
-
映画館で観れてよかった…というか、映画館じゃないと観れなかった、と思う。

静かに燃える、寄り添い映画。「生きろとは言わん。ばってん、死なんでくれ」につながる、どうしようもなく溜め込んだ怒りと狂い。この重さ・苦しさを注ぎ込むには、確かに必要な3時間だったね。

「海を見て来てくれ」とテレパシーのように通じ合う兄妹のナレーションと、丘の上で失った人の分の石を投げつける梢、大事な場面で発する声の力を引き出すことのすごさ。兄妹を寡黙にしておく演出にも、無口なのに全く“何を考えているか分からない”とまではいかない程度の表情に、ぐっと引き込まれたまま、気付いたらエンドロールだった。

家族よりも近くに居る他人というのも、生きるための救いや理由に十分なるんです。

〈夜を走る〉と同じ日にテアトル新宿で観て、ヘトヘトになって帰った。
れ