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掠奪された七人の花嫁の一人旅のレビュー・感想・評価

掠奪された七人の花嫁(1954年製作の映画)
4.0
スタンリー・ドーネン監督作。

古代ローマ時代の伝説「サビニの女たちの略奪」を基にしたアメリカの作家スティーヴン・ヴィンセント・ベネットの短編小説「The Sobbin' Women」をミュージカルの巨匠スタンリー・ドーネンが映画化したミュージカルコメディです。

19世紀半ばのオレゴン州を舞台に、山奥で農場を営んでいる7人兄弟と彼らに結婚目的で誘拐された町の女性たちが繰り広げる一連の騒動を描いたミュージカルラブコメディの名篇で、兄弟の長男アダムと気丈なヒロイン:ミリーとの邂逅と結婚を皮切りに、アダムに続けと結婚願望を爆発させる6人兄弟の強引な恋路をコミカルに活写しています。

納屋のダンスシーンをはじめエネルギッシュなミュージカルシークエンスが躍動する作品で、ビビッドな服装で色分けされた野性味溢れる兄弟と町の男たちとの対決シーンも愉しさいっぱいです。自分が結婚したいから意中の女性を無理やり連れ去るというなかなか攻めた展開は今観ると倫理的にアウトな気もしますが、皆が幸せの絶頂を迎える大団円は後味がよろしいですし、7人兄弟を上手に取りまとめる気丈なヒロインに扮したジェーン・パウエルの個性も際立っています。
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