セガール幹事長代理

ミストのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
2.0
霧の中に住むデカい昆虫と蛸に襲われる話。

中年のおっさんと取り巻きが初めてのお使いバリに選択肢を間違える様子が延々と描かれており、製作者の意図が『鑑賞サイドをイラつかせたい』っていう一点なら、その狙いは大当たりであったといえる。

緊急時の判断能力や、声の大きい者が理屈以上のパワーを持ってしまうことの恐ろしさを描きたかったのは伝わってくるが、『土壇場の神様頼り=悪』という図式を捻り無しで、待ってましたと言わんばかりに押し付けられる感覚は他の物語でも散々味わっているので正直お腹いっぱいなのである。太田胃散下さい。

新しい切り口や設定を期待していたが、どっかで見たことあるシチュエーションを寄せ集めただけのチャレンジ精神が伝わってこない怠慢な作品だと感じた。

映画評論家のレビューを読むとやたら『集団心理』って言葉が登場するが、これはなかなか便利なキーワードである。
若い女がハロウィンに渋谷を半裸で歩くのも集団心理だし、関西人が阪神の勝敗に関わり無く汚い川に飛び込むのも集団心理である。
複数の男と単独女での酒の席で、男がタイプでもない女を持ち上げて口説きにかかるのも集団心理のひとつである。持ち物や仕草は誉めるけど決して顔は誉めないのも特徴でしょう。

非リアの私としては『リア充は集団心理の被害者』と感じる心の余裕を持てるようになったので、これはこれで儲けものだと自分を納得させたあたりでエンドロールとなりました。

全体的にしょうもなかったです。