10回くらい観てる。
こないだ神戸に旅行した。
旅行で初めて、この映画に出てくる三ノ宮駅に降りた。そのときにふと、何回も観ているこの映画を思い出して、帰宅した日の夜にまた観た。
これは、子どもの頃に阪神淡路大震災に遭った二人が、15年後の神戸でたまたま出会い、夜通し歩きながらそれぞれの15年間を語る話だ。
もともとはNHKのテレビドラマ。
ジョゼと虎と魚たちの渡辺あやが脚本したというのと、佐藤江梨子が好きなのでテレビのOAを観たのがきっかけ。それが2010年1月。劇場公開は2011年1月。東日本大震災の2か月前だ。
以来、大好きなコンテンツになってる。
演じている森山未來も佐藤江梨子も当時被災していて、会話はどこかリアリティがある。15年後の1月17日の公園で黙祷するシーンは放送日当日早朝に実際の追悼集会の場で撮影され、いわゆる撮って出しがされている。
だから、このコンテンツはフィクションなのかノンフィクションなのか鑑賞者は分からなくなるんだけど、震災は実際の世界で起きていることであって、現実と虚構のあいだをこの映画はいつもさまよう(自分のなかでは)。
友だちが死んだり、地震がきっかけでいじめに遭う経験をしている二人の会話は、内容は重たいはずなのに、二人はなんだか軽妙で、この映画の醸し出すそんな空気感がずっとずっと好きだった。
そして、いままた観返してみても、その気持ちは変わらなくて、なんだか大切にしたい映画だ。