SANKOU

エイリアン4のSANKOUのネタバレレビュー・内容・結末

エイリアン4(1997年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

この作品はタイムリーに劇場で鑑賞したと記憶している。
前三作の、ここが地球からとてつもなく離れた孤独な場所なのだと実感させられるような静寂なオープニングとは違い、今回は全体像は掴めないもののかなりグロテスクで禍々しいものがクローズアップされたショッキングなオープニングシークエンスとなっている。
そしてこれまでエイリアンを生物兵器として利用することを企んでいた者たちが、ついにその野望を実現させたらしいことが分かる。
前作で自ら命を断ったリプリーは、科学者の手によってクローンとして復活させられる。
皮肉にもあれほど離れたいと願っていたエイリアンの遺伝子を組み込まれることで、彼女は超人的な肉体を手に入れた。
不敵な笑みを浮かべる彼女の姿は今までのシリーズにはない。
が、一度エイリアンの襲撃が始まれば彼女は今回も全力で生き残るために戦う。
科学者によって閉じ込められたエイリアンが一体の仲間を集中攻撃し、血液の酸を利用して脱出するシーンが印象的で、改めて彼らの身体能力と知能の高さを見せつけられた。
しかし恐ろしいのはやはり人間の方だ。
リプリーが実験体の成れの果てである自分と同じ顔をした奇形と対面するシーンにはゾッとさせられた。
もはや純粋な人間ではなくなった彼女だが、涙を流しながら火炎放射器で実験体を焼き払う姿にかつての彼女の面影を見た。
一応シリーズの最終章に当たる今作だが、久しぶりに二作目のような痛快なアクション要素が盛り込まれた内容になっていた。
もちろんクイーンエイリアンも登場する。
そしてそれだけでなく、今回はエイリアンと人間のハイブリッドまで登場する。
その姿は色んな意味でショッキングだ。
グロテスクでおぞましく、ちょっとだけ哀しい。
今までにないパターンのエイリアンの世界観が面白かった。
全体を通して緊張感の緩まない良作だとは思ったが、例えば二作目の天井を通ってエイリアンが近づいてくるシーンのようなインパクトのある画は少なかったように思う。
華のあるウィノナ・ライダーの他に、ジュネ監督作品の常連であるドミニク・ピノンや『ロスト・チルドレン』のロン・パールマンが出演しているのは嬉しかった。
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