セガール幹事長代理

ドッグヴィルのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
3.5
助けてくれた村人達が一人の女に180分間嫌がらせを続ける話。

「もし世界が100人の村だったら」を本作に当てはめると「40人のレイプ魔と50人のいじめっ子と9人の無関心と私」あたり。

女を襲うために部屋の前で順番待ちしてるおっさん達を見ると、うまいこと秩序と無法が調和してて、妙に感心させられる。
東京都豊島区にゲイのハッテン場と化した映画館があって、昔そこで一本の男性器を5人のおっさん達が四つん這いで取り合ってるのを目にしたことがあるんだけど、少なくとも池袋のおっさん達より映画の村人の方が行儀よくてウケた。

ちなみにMVPは、すげえ謝りながら女に襲いかかるヨボヨボのジジイ。
私事だけど、若い頃、同級生に殴られるような生活送ってて、その日も案の定いじめられっ子友達のコマバってやつと一緒になってボコスカやられてたんだけど、攻撃側リーダー格の新塚がコマバに「こいつ殴ったらお前は帰っていいよ」って言って、コマバは「ごめん」って叫びながら躊躇なく俺の顎を殴ってヘラついてた。
あの時に芽生えた、いつか(新塚もろとも)息の根を止めてやろうっていう決意が本物だったことに間違いはないが、この映画のジジイ見たらコマバを許せるようになった。
善悪のどっちかに振り切った行動とるなんて無理だよなって思うし、俺が逆にコマバの立場でも殴ってた。
人はそんなに簡単に強くなれないよ。

まあ幸せにやっててくれ、俺の次ぐらいに。って感じ。

映画は面白いですが、家族揃って観るものではなかったです。