ラグナロクの足音

ストレンジャー・ザン・パラダイスのラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

4.1
何も起こらないからこそ、良い。あるのはすれ違いだけ。今で例えれば自粛に飽き飽きして、てきとーに車でフロリダ走り回り、結局何もできずに終わるという話。w ある種のニヒリズムに満ちているが、かなり映画としてはかなりストイック作りだ。白黒だけに光と影のコントラストが映える。普段のありふれた景色ですら、どこか哀しげに、そしてポエティックに何かを物語っているように見えるから不思議。日常に対する目線はまさにムッシュ作品に通じるところだ。この調和のとれたリズムをつくる化学式を知っているのは、彼と、小津と、カウリスマキくらいしかしらない。
ラグナロクの足音

ラグナロクの足音