Cisaraghi

欲望の翼のCisaraghiのネタバレレビュー・内容・結末

欲望の翼(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

その後香港映画界の大御所となる、若かりし頃の大スターたちが揃った超豪華キャストによるウォン·カーウァイ作品。最後に唐突に出てくるオトコ、誰これ?トニー·レオンに似てる、と思ったら本当にトニー·レオンだったというオマケ付き。

実年齢で一番年上のレスリー·チャンは、ブエノスアイレスの時と同じく気紛れで魅力的でまわりを振り回すキャラ。しかし、それに全然負けずに振り回されたら全力で返すカリーナ·ラウ様の怖じない強気キャラが素晴らしい。危うくウルセー!となりかねないくらいよく通る広東語がとってもキュート。はすっぱなキャラを演じても下品にならないところがいい。
 しかし、ゲイキャラを最初に2つ見てからのこの作品なので、女を弄ぶミソジニー男のレスリーには少々違和感があった。相変わらずお顔はカワイイけど。

カリーナ様が陽のキャラだとしたら、明らかに月のキャラ、マギー·チャン。実際夜の場面しか出てなかったのでは?まさに月のような静かで美しい輝きを放っていた。長い漆黒の髪が艶めかしい。

そして香港と言えば警察官、警察官と言えばアンディ·ラウとトニー·レオンですよ。この作品と『恋する惑星』、2作のカーウァイ作品で、香港の警察官はちゃんと仕事してるのか?という疑惑を世間に持たれたため、その疑いを晴らすべく『インファナルアフェア』シリーズは作られた(嘘)。今作では、朴訥な警官であるラウ様の秘めた恋心がもどかしい。

それにしても、あのイヤに天井が低い部屋のトニー·レオンは何だったのか?

『花様年華』もそうだが、香港にも人気のないジメジメした暗い通りなんてあるんだ、というイメージにない香港が見られる。全体に緑がかっている映像がウォン·カーウァイらしい。音楽はいつもいいですよねぇ、ウットリ。そして、またしても邦題グッジョブ。中国語題『阿飛正傳』は、チンピラの物語、的な意味のようだ。
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