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危険なメソッドのHKのレビュー・感想・評価

危険なメソッド(2011年製作の映画)
3.2
CSのクローネンバーグ特集から『ファイヤー・ボール』に続き未見の本作をセレクト。
『ファイヤー~』はクローネンバーグらしからぬエログロ無しのカーレースものでしたが、本作は心理学者フロイトとユングの関係を描いた歴史物の人間ドラマ。
こちらもエログロはほとんどありませんがSM風味は少々。

メインの主役であるユング役はマイケル・ファスベンダーで『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』と同じ年の公開。私がファスベンダーを知ったのもこの頃でしょうか。

フロイト役はクローネンバーグと組むのは『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イースタン・プロミス』に次いで3作目でもはや貫録のヴィゴ・モーテンセン。

そしてもう一人の主役はキイラ・ナイトレイ演じるザビーナ・シュピールラインで、ユングの患者であり愛人でもあり、後に精神分析学者となった実在の人物。
ナイトレイは冒頭からアゴを突き出す“アイ~ン”顔の繰り返しでなかなか攻めた演技。

フロイトとユングの関係や学説の違いなんて全然知りませんでしたから勉強になりました。
まさかクローネンバーグ作品で勉強してしまうとは。
で、面白かったかと言うと・・・

二人の夢判断などの議論は部分的には面白かったし、ユングの「異常な患者は正常な医師には治せない」なんていうセリフはクローネンバーグっぽさがあって印象的ではありました。
しかし、全体的にはたいして楽しめなかった、というのが正直なところ。
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