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王将のnekosukiのレビュー・感想・評価

王将(1962年製作の映画)
3.8
てっきり、“村田英雄”のヒット曲の映画化だとばかり思っていたら、実在の棋士“坂田三吉”を描いた実話だった。

オンボロ長屋に住み、無学だが将棋好きの男の波乱の人生。決して平坦なサクセスストーリーではないところに惹かれる。

自称○段とか、笑ってしまうが映画を観た限りでは強かったようだ。死後に“名人位”や“王将位”を、贈られた。

貧しい暮らしを余儀なくされる妻子の悲哀が描かれていて泣ける。
妻の“小春”が危篤の際に将棋の試合会場から電話で妻に呼び掛けるシーンで堪らず号泣した。

颯爽とした紳士も、冴えない中年男も、鮮やかに演じ分ける“三國連太郎”の演技力に敬服する。

そう言えば、“山口百恵”主演の「霧の旗」の復讐される弁護士役でわざわざ髪を剃ってフケ役に挑んでいたことを思い出した。
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