西部劇の形は取っているが、PTSDや近代の戦争に対するメタファーやメインの「異質への理解」と奥の深いテーマが並ぶ作品、なのだが・・・・なぜか心に響かない。
ベイルを始め出演者の演技は良いし演出や映像も落ち着いていて魅力がある。なのに響かないし物足りない。
観終わっても原因が分からずしばらく考えてみたが、どうもリアリティの無さではないかと思う。
多数の友人を目の前で殺された怒り。
家族皆殺しの憎しみ。
これを本当に許せるのかと思ってしまった。
たった数週間一緒に旅をしただけで許せるの?と。
映画的には憎しみと理解のギャップが大きいほど感動作になると思ったのだろうが、この設定は限度を超えている。
個人的には、イエロー・ホークと理解し合えた後に癌で亡くなるのではなく、居住地で襲ってきた白人4人と死闘中に、戦うイエロー・ホークの姿を見たブロッカー大尉が友人を殺されたことをフラッシュバックし、戦いが終わったあとにイエロー・ホークと家族を射殺。はっと我に返るが・・・・
女性の後を追ってハッピーエンドとか甘くするのではなく、復讐の連鎖や逃れられない憎しみの愚かさを観ている者に突きつけて欲しかった。