2020.02.12
私にとってのオールタイムベストでもある1998年のこの映画を、2020年のスクリーンで鑑賞できたことを幸せに思う。
私がこの映画を知った当時…それこそ10年もっと前は「『バッファロー'66』はオシャレ映画だ。」と、どこか忌み嫌われ、この映画を好きだと公言すると小馬鹿にされたような時期が確かにあった。
それでも私はこの映画が好きだった。
この映画の持つ"オシャレさ"なんてものは当時も今も分からないが、単にストレートな愛の形…ビリーとレイラという二人の出逢いはどうであれ、ビリーに寄り添い続けて"しまう"レイラの心境や、そんな彼女の愛を心のどこかで感じながらもどう接したらいいのかが分からないビリーの姿は、私にとって色褪せるようなものではなく、ずっとずっと愛おしいものなのだ。
愛を知らずに生き、他者からの愛の受け止め方が分からないビリーという男が、レイラによって心の殻を打ち破ったとき、ラージサイズのホットチョコとハート型のクッキーを買って走るその姿に何度"幸せ"を貰ったか。
ただ、好きなのだ。
この映画の愛の"物語方"が。
…と、辛気臭く、ちょっとかっこつけて『バッファロー'66』への私なりの想いを綴ってみたが、もっと馬鹿っぽく…冒頭のビリーがトイレを探しつづける件だったり、ビリーの両親とのやりとりだったり、どこかコメディに振り切らなくともシュールな場面場面が一々めちゃくちゃに好きなのですと付け加えておきたい。あと、この頃のクリスティーナ・リッチのふくよかさが大変に好みです。