ゾンビミキサー

バッファロー’66のゾンビミキサーのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
5.0
ラブストーリーだと言われている話だけれど、ふたりの子どもの物語という感じがした。

無関心な親に対して、されてもいない期待に応えようと空回る罪悪感に似た無償の愛が生々しくて切ない。

それでも、散々暴れて惨めで「生きてけないな」って思うとき、高みから引き上げてくれるんじゃなく、似たような想いで近くにいる人間がいるといて案外綺麗なものもまだあると気づいたら、諦めと紙一重の救いが美しかった。

生きられないと嘆きたくなるのに続いてしまってる人生を、くだらなすぎて無理してわざわざ捨ててやるほど価値もないと笑えるようになるために必要なものが、幹線道路の深夜のファミレスや、ひとのいないボーリング場や、大きな駐車場にポツンとある公衆電話に散らばっているような映画だった。