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千年女優のmementooreのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
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中盤のショットの繋ぎ方がちょっと衝撃的。プロットの進み方と呼応しているからわかるけれど、これを形式の面で押し進めたのが新海誠だったり(「MV的」)、あるいは湯浅政明だったりするのかもしれない。メロドラマの形式化と劇を生きることの主題は藤本タツキとかアベンジャーズとかに受け継がれてるような気もするしで、重要な作品。
千代子の半生の回想とドキュメンタリー撮影の現在という二つの階層が、分かれるのではなくむしろどんどんなし崩されていき、実証的な記録ではなく観客がそこに巻き込まれていくような状況を設計する思い出話をやる。千代子の声優が年齢ごとに3人で分担されていることや立花の1人複数役の演技。複数の役=キャラを演技することが、ボコボコと独立した島を形成するのではなく、似たリズムを反復することとして、千代子の場合は欲望を反復することとして描かれる。地震もまた反復する。
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