ヴレア

千年女優のヴレアのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
3.9
昔見た時はあまりにわけわからなくて寝てしまい挫折。
そして今回、映画館でやっていたので再チャレンジ。
なるほど、挫折した理由が分かった。
あまりにも支離滅裂かつ虚構と現実の入り混じったストーリーでとっつきにくいのが原因だろう。
ただ、その辺の不思議さに目を瞑って観ると、言いたい事はシンプルなようにも感じられる。
かつての大女優が、女優になる事を志したきっかけ、これが全てであり彼女の人生の目的でもある。
出演していた映画を通して描かれるのは彼女の人生の目的であり、夢である。
だからこそ現実と映画の出来事がごちゃまぜになっているのだろう。
また、それと対比するように彼女の大ファンであり、ドキュメンタリーを撮ろうとする監督の視点も入り交じるので余計ややこしい。
単に俯瞰して見ているだけなのになんでそんな映画内に出演(登場人物として)しているのか?という疑問が付きまとうが、これもちゃんと解明されて行くので真相が分かるととても納得させられる。
なので、本作の特徴としては女優とファンの男、それぞれの視点をうまく融合しているという点にあるだろう。
また、今回観てすんなり入り込めたのは、自分も多くの人生経験を積んで来たからというのもあるだろう。なのでこれは大人になればなるほど共感しやすい作品かもしれない。

好きだった人の顔ももう思い出せなくて泣いてしまうというのは自分はまだ無いけど、もしそうなったら悲しいだろうなと思った。
ヴレア

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