このレビューはネタバレを含みます
現実と映画の世界が自然と混ざり合う感じがクセになる。
謎の男を憧れの存在として、それを追いかけることが原動力の女優の話。途中、追いかけることをやめた期間があるが、その間は彼女の命が止まっていたと表現される。
たしかに、何かしらの理想状態を抱いて、そこに向かうけど辿り着けないみたいなバランス感が、もどかしいけど心地よかったりするのかも。
一方で女優に取材をする男は、憧れの女優に会うことができる。でも会うだけでは、彼女は自分の方に向いてくれる訳ではなく、ただ彼女に優しく助けてくれる存在として、認識されてしまう(本当は、近しい存在になりたいだろうに)。
理想状態に近づきたいという希望と、辿り着けないもどかしさが上手に表現されていたし、それに個人的にも共感できた。