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千年女優のSIのレビュー・感想・評価

千年女優(2001年製作の映画)
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2018.11.25
自宅PCにて鑑賞

「だって私、あの人追いかけてる私が好きなんだもの。」
「ロタティオン[LOTUS-2]」─平沢進

「千と千尋の神隠し」と同じ年にこんな作品があったとは。
「東京ゴッドファーザーズ」と同じ監督とは思えないくらい引き込まれた。「パプリカ」を思い出した。
女優をやりながら永遠に初恋の人を追い続ける藤原千代子。映し出されるものが回想の中の演技(映画)なのか、回想の中の現実なのか、回想の中の幻覚なのか、はたまた、"いまここの"現実なのか。現実と虚構をかき乱すスタイルが貫かれていて大好きだ。
その裏側では純愛をテーマにしっかりと作品が展開されていて、特に終盤の千代子のこれまでのカットを繋いだシーンは完璧と言っていいのではないだろうか。思わず、泣いてしまいました。

動画検査がたくらんけの江山さんと寺田さんなのもクスッときた。動画協力でシャフトの名前が出てきて驚き。特効はチーム谷口なんですね。
作画監督も本田さん、小西さん、濱洲さん、井上さんとぶっ壊れている。この映画は作画がヌルヌルと動いていて本当におかしい。
また平沢進さんのセンスは今でも通用するんじゃないかと改めて感じた。
総じて、素晴らしい作品でした。

自分が昔いたスタジオに、今さんの作品に関わりたいためにマッドハウスに入った方がいて、「結局今さんとは仕事出来なかったよ。物凄い大きくて、いつもスーツ着てて。本当にかっこよかったんだあの人。」と涙ながら語ってくれた事を懐かしく思い出す。
もしかして、彼女も千年女優なんだろうか。

今敏さん。何故、これほど早く逝ってしまったんですか。鍵とは、この映画の事なんですか。
http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565
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