田最環

コクリコ坂からの田最環のレビュー・感想・評価

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
3.7
昔見たが改めて視聴。
昔見たときはメルの朝食準備、俊の飛び降りるところ、メルの泣くところが印象的。

戦後まもない頃の高校生の出生の秘密、純愛を描いた話。

吾郎監督作品の中でも一番好きですね。
良くも悪くも昔、あったであろう戦後の街並み風景や学生生活が見られる作品。また登場人物がみな優しい。

坂の上から見える海が素敵。てっきり長崎とかかと思いきや、神奈川なんですね。
東京にいくくだりはすっかり忘れていた。

昔は学生紛争が凄かったらしいですよね。良くも悪くも社会や政治が近かったとも言えますね。
カルチェラタンの件で理事長のところへ押しかけるが、理事長がメルを気に入ってる感じが気になる。当時の男尊女卑を鑑みても、メルのように女性ながらも声を上げたり学生紛争に参加していたからとか?

カルチェラタンで学生らが和気藹々と自分のやりたい部活動?をやってたり、またディベートのシーンが見てて飽きない。

俊の親友である水沼がいいキャラをしてる。
リーダー的存在でかつディベートのタイムキーパーだけでなく、先生が来てからの機転、俊とメルを気にかけたり、終盤で理事長へのフォローなど人間として出来杉。

風間の親から直接、事実を話してもらえば解決しそうなものだが戦時中に結ばれた三人の男の絆からして澤村は同じ船乗りの風間家には事実を明かさなかったのかも。後日良子と会ったり、終盤で小野寺を知らなさそうでしたしね。


結局メルと俊の間に血縁はあるのかというところは終盤に戸籍は兄弟だが血は繋がっていないということが判明しハッピーエンド。
これでメルも父が亡くなった寂しさもありながら母的存在として下宿の切り盛りをしていたが、俊との出会いで少女らしい青春を謳歌しましたとさ。

ややこしいと思うので以下に家族構成をメモしてみた。

【家族構成】
・松崎家
花(メルから見て祖母)
良子(アメリカから帰ってきた母)
陸、空、海メル (娘たち)

・風間家
風間明雄(船乗り、雄一郎から赤ん坊の俊を引き取る)
母(赤ん坊を亡くしていた、俊に乳をあげた)
俊(戸籍上松崎家の養子)

・写真の三人
澤村雄一郎(松崎家の父、朝鮮戦争で戦死
俊を引き取るが良子が身籠ってたため育てるのを諦める)

立花 洋
(船の引揚事故で死亡、また妻も出産時に死亡)
小野寺 善雄(船乗り)


【その他不明な用語】
山ハリ→テストなどで山を張る様をいう。カルチェラタンの掃除の際に出てきた膨大な過去テスト資料からしてカルチェ週刊は精度がよかったのだろう。
田最環

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