砂漠に墜落したスペースシャトルから辛くも脱出した二人の囚人。彼らは減刑を餌に謎の存在”X”を調査する為この星に降り立ったのだが…というストーリー。
「プレデターX」や「スピーシーズX」と同じく「人気タイトルにXつけたパチモンタイトル」であり、「バイオハザード2034」等に続くパチモン「バイオ」タイトルです。
囚人マカファティとフライヤーは、原住民に襲われながらも目標の地下施設に辿り着き、Xのある場所を目指すが、近づくにつれて幻覚が彼らを襲う。果たして彼らを待っていたものとは、という内容です。
勿論「バイオハザード」とは映画版ともゲーム版とも関係ない内容の作品です。ジャケットの偽ジョボビッチみたいな女性は一応ヒロインで出てきますが、登場するのは本編始まって一時間経ってからで主役ではありません。主人公は囚人のオッサン二人です。
肝心の本編は、減刑の為にXと呼ばれる謎の存在を調査する為に序盤は砂漠、中盤からは廃工場みたいな地下施設をオッサン二人が探索しながら喧嘩する様が一時間近く描かれます。序盤で襲ってきた原住民と戦ったり、先に調査に来ていた囚人の死体発見したりといったことも起こりますが、本当にずっと探索しながら喧嘩してるだけです。囚人の一人フライヤーは「こんな任務放り出してさっさと帰ろうぜ」と繰り返したり、指示書も読まずに文句言いまくるだけだし、もう一人のマカファティは刑期短縮してさっさと刑務所出る為に真面目にミッション遂行するくらいしか特徴ない平凡なキャラで、主人公二人にキャラ的な魅力がないから多くを占める会話シーンも面白味がないです。
二人が身に着けてる戦闘服?のデザインや、脱走したと思われていた先に来ていた囚人の死体の見せ方などはセンスもあって良かったと思います。暗闇での探索シーンは、ライトに照らされる拷問用?の椅子などのシーンはオバケ屋敷的な雰囲気があって良かったですね。
終盤、「X」が登場しますが、ゾンビっぽく顔がドロドロになったハゲのオッサンで、しかも一体しか登場しません。ジャケ裏の「アンデッドの群れ」等どこにも登場しません。攻撃方法も幻覚見せて追い詰めるという精神攻撃です。このXが登場したと同時にそれまで全くストーリーに絡んでこなかったジャケのヒロインが、マスク被って「イエス・キリストの名のもとに」とか言いながらゾンビっぽいオッサンに向っていくという急展開になるのでちょっとついていけなくなりそうになります。まあ、でもここはちょっと盛り上がったかな。ヒロイン役の人は美人でした。
ゾンビみたいなオッサンは「レギオン」と名乗ってて、ヒロインも言うように悪魔という、まさかのオカルト展開で全然「バイオハザード」じゃないですね。配給担当者は何を見て「バイオハザード」とつけたのか。
ヒロインは十字架模した剣を使って戦いますが、お世辞にもいいアクションとは言えませんし、最後の戦いも炎飛ばしたり、CG全開で描かれてますが、主人公が逃げて外に出てしまうので決着が描かれないという体たらくです。
最後のオチもありがちではありますね。ヒロインはあの後、どう行動するのか。心折れた感じではあったけど。
このパチモンタイトルとジャケで、評判も凄い悪いので全然期待せずに見た為に思ったよりは見れましたが、それでもオススメはしない作品です。