前半部の陽気な雰囲気とレビューシーンがとても良い。
音楽キチガイばかり住む街なのでミュージカル映画ばりに突然歌い出すのが最高。
留置所で「ジョニーのラッパ」を歌っているとチャールズ・ウィニンガーの引率の警官もタップしながらやってくるのが愉快。
クラブの「ブロードウェイの騎士」も派手で楽しいナンバーで眼福。

後半部はポーレット・ゴダードがクソ女になるし音楽もバンドも関係ないクソオチだしでかなり落ちるのが残念。
抽選のルーレットが終わってスチュアートとゴダードが裏手に行って仲直りの会話をするシーン、カット割るどころかアングルも変えずにダラっと立ったまま話してるのには正気を疑う。
ファーストショットも削られたのかと思うような杜撰さだったけれど…。
あとスチュアートがビビるくらいスター性皆無。
ジョージ・マーシャルを持ち上げるのはもうちょっと見てからにします。

いきなり見知らぬ少年がトランペットを吹いてるところから凄い映画が始まった！と思ったもんだが高揚するのは「When Johnny Toots His Horn」のタップダンスと続け様の「A Knife, a Fork and a Spoon」の食器遊びの統制された役者の動きだけだった。
ジェームズ・スチュアートは青二歳である以上に余計なガサツさを抑えてないのがやばい。ドタドタ階段降りるとこ切ってやってほしい。

スチュワートは後に｢今までの出演作の中で1番酷い作品の一つ｣と言ったよう。自分の演技のことなのか、内容のことなのかは知らないがいずれにしろ賛成できる。この作品での彼はあまり輝きがなかった気がする。
多彩なジャンルの良曲が出てくるのは楽しかったけど、その分ストーリーが雑。