安堵霊タラコフスキー

ビガー・ザン・ライフ 黒の報酬の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

3.1
ニコラス・レイの代表作だけど、正直そこまで評価される理由が未だにわからない。

確かにどんどん壊れていくジェームズ・メイソンの姿は過去作のハンフリー・ボガートやジェームズ・ディーンとダブるくらい強烈だし(おそらくこの暴力性がニコラス・レイの特徴の一つなのだろう)、赤を強調するような配色もカラーならではの演出だった。

でもあからさまに誂えられたような日常的空間には成瀬や増村らの作品みたいな気持ち悪さがあるし(もしかしたら意図的なものかもしれないけど)、映像を見て情緒も面白味も自分には感じられない場面ばかりで、全然グッとくるものが無かった。

しかし他の人の意見を見て言い分に理解はできても全く共感は抱けないから、自分が映画に求めるものがこの作品には無かったということなのだろう。