このレビューはネタバレを含みます
こういうものでしょうね…。
憧れの対象に実際会ったら、思っていたのとは違っていた。
カリスマ性のある人間ほど、とっつきにくいものです。
自分の世界を確立しているわけですからね。そう簡単に、心を許す関係にはなりにくいものです。
そのあたりは現代でも変わりないでしょう。
弟のロバート。
几帳面に箱にしまって隠している。それを見つかってからかわれ、ムキになる。
根は真面目なだけに逡巡や葛藤が段々と色濃くなっていきます。
憧れの対象を殺そうとしていることを含めて『なんで、こんなことになってしまっているのか?』
抜けたくても抜けられないアリ地獄を本人も自覚しているのでしょう。
この作品のおもしろいところは、そのアリ地獄がことを成し遂げた後も続いていくことでしょう。ジェシーの呪いなのでしょうか?
しかしジェシー、というかB.ピッドから放たれる、ただならぬ殺気は本当に恐ろしいです。この手の役どころに対して自信に満ち溢れているというか、円熟の極みですね。
ちょっと松田優作に似たものを感じさせます。
憧れは憧れのままにしておくのが、正解なのでしょう。