ブタブタ

チャーリーとチョコレート工場のブタブタのレビュー・感想・評価

2.5
『パノラマ島奇談外篇・恐怖チョコレート人間』
原作の名作児童向け文学は未読なので本作の本来持つ魅力、主人公の成長物語や少年版『不思議の国のアリス』といった趣き?やブラックユーモアといったペーソス等、映画と比べる事は出来ないのですが映画は原作にはない部分が多い様でウォンカの過去のトラウマと父親との確執を軸にチャーリーの家族の絆を通してウォンカも家族と言うかえがえのないモノを取り戻す「家族の再生の物語」が前面に出されている様ですが正直その辺は取ってつけた感じで、やはりティムバートンが真に描きたいのはあの異様なチョコレート工場そのモノでしょう。
生意気な数学少年が「ここにある物は何の意味も無い」と言う通りストーリーもテーマも特に重要でなく、最近すっかりキャラ者芸人と化したジョニーデップの顔芸と『se7en』の七つの大罪よろしく次々と処刑されていくガキ共。
その様は自業自得とは言え非常に残忍かつグロテスクでチョコレート池地獄、人間風船、リスによるリンチ→廃棄、ペラペラ化と暴食(デブ)強欲(ガム)怠惰(無し)肉欲(金持ち)嫉妬(ナシ)憤怒(数学)と言ったところでしょうか(笑)
フリークス(小人)のウンパルンパが蠢く工場内部の世界はやっぱりティムバートン版パノラマ島奇談。
『alien』のギーガーデザインによる異星人の宇宙船内部や、このチョコレート工場の生物と機械が融合した様なバイオメカニクス的世界観は大好きのでそれだけでも一見の価値有りでした。
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