オープニングから好みを予感させるお洒落さと可愛いらしさ。
コレはもう感覚的に好き!
目を引くジャケとセシルカットのジーン・セバーグを堪能したくて、ずっと観たくて温めてきた作品にやっと出会えた。
オードリーとはまた違った魅力で着こなすGIVENCHYのドレスはうっとりする程素敵だし、モノクロで更に際立つジーン・セバーグの美しさにはつい見とれてしまった。
冒頭、何やら訳ありなセシルのナレーションにも似た心の声。果たしてどんな悲しい出来事が起こったのか、、、
謎が明かされるその時を待った。
カラーに切り替わり1年前、父娘で過ごしたフレンチ・リヴィエラに遡る。
キラキラとしたリヴィエラの海岸を無邪気に駆け回るセシルが印象的。(ここでのGIVENCHYのリゾートファッションも見逃せないところ)
17歳のひと夏をカラーで、罪悪感に縛られる現在をモノクロで描くコントラストが秀逸。
筋金入りのプレイボーイの父の愛情を独占したくて、更には若さ故の反抗心が引き起こした出来事を映像のスイッチ効果で見事に描き出していた。
冷静に観ると感情の振り幅はそこまで大きい訳じゃ無い。...にも関わらずこの満足感は特別な気がする。この時代ならではの作品自体の品さえ感じ、刹那で耽美的そしてアンニュイささえもが漂う。
いわゆるあれこれ考察無用の感覚的満足度が高い感じ。
ラスト、締めくくられたセシルの表情が頭に焼き付いて離れない。
湧き上がる感情を思うと胸が締め付けられ、後から後から居た堪れなさがジワ~っと込み上げる。
原作も是非読んでみたいと思った。