rage30

トップ・ランナーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

トップ・ランナー(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

実在の自転車選手、グレアム・オブリーを描いた伝記映画。

主人公がアスリートと言うよりも、発明家の様なアイディアを駆使して戦うのが面白かったですね。
空気抵抗を考えたハンドルに、洗濯機からベアリングを拝借したりと、常識に囚われないオリジナルの自転車を自作し、世界記録を出してしまうと。
これがどれだけ異端の行いだったのか、自転車の世界に詳しくない人の為にも、もっと強調して描いても良かったかもしれません。

世界記録を出したものの、国際自転車競技連合(UCI)に目をつけられてしまう主人公。
本当に安全性や公平性の為のルール改正なら良いのですが、その裏にあるのはスポンサー企業の利益だったりして、どのスポーツの世界も裏側は汚いものだなと思わされます。
そもそも、真に公平性を期すなら、全選手が同じ自転車を使えば済む話な気もするんですけどね。

UCIの嫌がらせや、過去のトラウマもあって、主人公は自殺未遂にまで追い込まれてしまう羽目に…。
主人公にしては暗い性格でパッとしないな~と思っていたのですが、鬱病を抱えていたのだと分かれば、それも納得。
いじめっ子には「逃げてばかりだ」と言われてしまうものの、問題に真正面から立ち向かわない=別の解決策を探るという思考があればこそ、常識に囚われない自転車を作れたのかもしれないわけで。

「逃げるが勝ち」という言葉もありますし、もしも今現在イジメに遭って悩んでる人が見たら、勇気を貰える作品なのではないでしょうか。
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