久しぶりのSABU監督作品鑑賞。やはり独特のものを感じる。まず主人公のはじめの登場の仕方からかっこいい。そして音楽もなく寺島進の台詞もなく進んでいく。代わりに所々で出会う死を目の前にした人たちの台詞や時計の音、車の音が澄んで聞こえる。
また、警察の並びや病院のガウン、ヤクザの並びなどの均等さの構図が異質な印象を受ける。
上には上があるもので苦しさや辛さみたいなものを抱えている人は沢山いる。ただそこに見出す価値観は其々個々に持っているもので愛されてるからといって幸福な訳でもなく、お金があるから幸福な訳でもなく、命があるから幸福な訳でもなく、結局は無い物ねだりなのかもしれない。
主人公は最後足取りがしっかりしだすところや初めてそこで音楽が流れるところ、そういう演出がかっこいい。