安堵霊タラコフスキー

緋色の街/スカーレット・ストリートの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

4.4
ルノワールの雌犬をリメイクしたらしいフリッツ・ラングのサスペンス風ドラマ。

ラングの映画ってサイレント時代からの巨匠だけあり基本に忠実で端正なのに、構図やカメラの流れが良いからか1カット1カットがしっかり見応えがあってつくづく良いと思える。(特に夜道のシーンは端正なだけじゃなく美しくもあって素敵)

しかしオリジナルを未見であってもルノワールが作ったら絶対こうはならないことは容易に想像がつくけれど、演出や撮り方で全く違うタイプの映画を撮ってしまう点に巨匠たる所以を感じて止まない。

それにしてもキャストが似通っていることもあって事の始まりのシーンがめちゃくちゃ飾窓の女っぽかったのだけど、もしかしたら雌犬を飾窓の女風にしてみようという意図でこの作品が撮られたのだろうか。