このレビューはネタバレを含みます
ネタバレ
戦争の馬鹿馬鹿しい虚しさは伝わってくるが
映画的には単調さゆえに飽き飽きうんざりしてくる。
しかし、四肢を失い〝軍神”として帰還した男が、終戦の玉音放送を聞いた後に芋虫のように地べたを這って池に向かい入水自殺を果たした時に、こちらもホッとしたのは我ながら興味深い心理ではある。(飽き飽きうんざりから解放された心境もあったのだろうね)
その男がなぜ軍神になったのかという理由が、中国で民間の女子を強姦し、その家屋の火事で逃げ遅れ手足を失い、顔の半分を火傷したに過ぎないのに戦闘突撃による負傷と嘘で塗り固められたこと。
映画中の皇軍勝利戦時ラジオ放送も全くの嘘。
つまりは国の嘘も〝軍神”の嘘も敗戦終戦と共に崩壊したことに、こちらも安堵したことの表れがホッとしたという心理となって自然に表出したのだろう。
その意味では監督の意図はある程度効果的に作用していたと言えるのかもしれない。
2.6ぎりぎりの三ツ星
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