みんと

天国は待ってくれるのみんとのレビュー・感想・評価

天国は待ってくれる(1943年製作の映画)
4.0
なかなかシニカルなんだけど深いお話だった。
シュールな笑いをあちこち散りばめつつも、何処か哲学的だったりロマンティックだったり。

邦題的にもっとスピリチュアルで敬虔なお話かと思いきや、全く構える必要なかった。カサノヴァってワードが登場するくらい、少々女好きが過ぎる男性の人生史とでも言うか、、、

ともあれ、とにかく着地点が素晴らしい。
そしておじいちゃんか良い。
「誰に似たのかしら」って繰り返しの台詞も効いてるし、何より従兄弟の海よりも広い心には大いに救われた。

亡くなって直ぐにでも天国へ行ける人、一方地獄に堕ちる人、境目が分かりやすい人生を送る人って稀だし、どんな人生も多面的に見ると何れの要素も含まれてて、今作の主人公なんてまさにそれで。

天国にも別館があるなんて言う温情のある措置も、地獄の受付での即アウトじゃなくて問診してしっかり吟味する寛大さ。 (如何にもな強面男性が受付なんだけど)
とにかく発想が素敵、そしてラスト5分が実に深くて感動的な作品だった。

そして感情を根こそぎひっくり返す意表を突く着地点にグググンとスコアアップ!
みんと

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