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ジェフリー・ダーマーのYuki2Invyのレビュー・感想・評価

ジェフリー・ダーマー(2002年製作の映画)
2.5
今や、ジェレミー・レナーの出世作としての価値が多少はあるカモ…という作品なのでしょうが、全体的な映画としての出来は正直イマイチですね。レナーの演技は当時かなり評価されたとのコトなのですが、個人的にはソコもあまりピンと来なくて…ただ、ルックス的にはレナーは相当にハマってるな、とは思いました。ダーマーは実際にもそこそこハンサムで「チャンとした白人」然とした人物だったとのコトなので、今作のレナーの感じはピッタリだったのではないかと(特に過去パートのティアドロップ風のメガネを掛けたシーンは、個人的にかなりシックリ来ましたです)。

しかし、とにかく「ジェフリー・ダーマーの映画」という建付けに対して我々が想像(期待)する「衝撃度」というのが何一つ感じられないのですよ。物理的な意味でもグロテスクなモノ(流血描写や食人描写)は皆無、ヴァイオレンス(殺害)シーンもごくマイルド、それに加えて「神殿」と呼ばれたダーマーの部屋だって妙に小綺麗でリアリティが全くないのです。なんであの伝説の213号室に水槽があって、絵が飾ってあって、ガラステーブル置いてあるんですか?オマケに寝室は照明から何から(ナンと)赤揃え…ていくらナンでもそりゃねーだろ!てな感じすね(少なくともダーマーは確実に長年の高度なアル中だったのですから、インテリア凝るぐらいなら酒買ってるでしょうよ)。

現実的な話として、この手の事件の場合は被害者も実在するのですから、面白半分の営利目的でグロいヴァイオレンス描写満載にするとゆーのはコンプラ的に厳しい…というコトなのでしょーかね。その点、最近の同系統の映画(『テッド・バンディ』とか『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』とか)では、単純なヴァイオレンス描写に頼るのではなくて主人公のシリアルキラーの人物像の描き出しやよりリアルな生活描写等を見せ場にしてゆく…という方向性で勝負している様にも見えます。残念なのは今作、このダーマーの人物像の描き出しとゆーのも総じてごく薄っぺらいのですよね。最終盤は多少ソコら辺も描き込まれてゆくのですが(→その部分のレナーの演技は世間から評価されただけはあるモノであったとは思うのですが)率直にソコまでがつまんな過ぎる…てなモンで。残念作ですね。
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