瀬口航平

ハムレットの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

ハムレット(1969年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごく好きなハムレットだった。
アンソニー・ホプキンスまさかのクローディアスだった。まだ32歳なのに笑
そしてハムレット役のニコル・ウィリアムソンは33歳でハムレットは甥なのに実年齢上じゃん笑

でもクローディアスかなり上の年齢に見えたからさすが。

亡霊の演出かすごく面白かった。
亡霊を直接映さず、光しか見せなかったのがすごく良い。なんかほんとに亡霊という摩訶不思議なことが起こったみたいに見えたし、それが良いことかはわかんないけど後半のほうは少しハムレットがほんとにおかしい奴に見えた。

そしてハムレットの、オフィーリアへの愛と、母への愛がちゃんと見えたのもよかった。
オフィーリアとのシーンに関しては本当にあまりにも解釈が多様で、いろんな演じ方できるけども、ここでオフィーリアへの愛を見せないと他に見せられるとこないのに、けっこう多くのハムレットはオフィーリアに最初から最後まで冷たくてひどいんよね。。
ケネス・ブラナーのハムレットぐらいしかオフィーリアへの愛が表現されてたハムレットなかったなあと今まで思ってたけど、初めてほかにも見つけた!でもキスまでするのはびっくり。しかも2回ぐらいしてたよね。まるで何も知らない赤子に接するみたいに、尼寺へ行きなさい、って言ってた。もう二度と会えないから最愛の相手との最後の別れのシーンかのよう。愛してた、というのもオフィーリアを傷つけるためではないんだよな、そうだよな。。ケネス・ブラナーは、愛してたのに!ってなってた。それも良い。
そして裏にいる王に気づくのもケネス・ブラナーのハムレットと同じ。ただ贈り物を返されるとこはケネス・ブラナーのときみたいにさほど大きな事件にはなってない。

このシーンはいつも思うけど、オフィーリアに会う前の独白の着地点がどこになるのかと、贈り物を返されることをどう受け止めるのかと、父はどこにいる?をどう解釈するのか(ただこのセリフをオフィーリアがうそをつくかどうか試すセリフにするには物音がしたり王の姿を見つけてしまうみたいな、戯曲にはない展開が必要なので演出次第なとこある)で、いろんな風に演じられる。
今回の場合は、父はどこなのかで嘘をつかれたので、オフィーリアが完全に敵になっちゃうんだと思う。

お母さん、盃を飲むとこは偶然感あるな。意図的に毒を飲むでもいいような気もするけど、さすがに難しいか。
最後の最後で母はハムレットの味方だったし、レアティーズも味方になった。レアティーズはなぜ最後死ぬ時ハムレットの味方だったんだろう。レアティーズも馬鹿じゃない、むしろ賢いはず。なぜハムレットがそんなことをしたのかをどこか察してたのかもしれない。そして彼自身も父殺しにきづいた??
クローディアスがハムレット暗殺を提案するとこから、何か気づいたかもしれない。元凶はクローディアスだと。

オズリックもまた初めて見るタイプ笑
これもいろんな演じ方できるよな。なんかすごい愚かな道化みたいだった。腐った権力者のクローディアスの使い、ってことだから、これぐらい人を小馬鹿にした感じの奴でもいいのかも。

ハムレットはあまりにもいろんなの見すぎてて少し飽きてたんだけど、やっぱそれでも観始めるといろんなハムレットと比較できて面白い。作品への理解がより深まる。
瀬口航平

瀬口航平