おもしろい。
アフリカから密航した少年をフランスの港町の人たちが助ける話。
先日公開された『希望のかなた』が難民3部作の第2弾で、これが第1弾ということなので先にこちらを。
始まってすぐに気がつく色使い。この監督の作品を観るのは初めてなのだが、この青緑がお好きなのかな。まるでおとぎ話の色使い。
ストーリーの方もおとぎ話みたい。でも、「めでたし、めでたし」と見終わって安心して眠りにつくような映画ではなさそうだ。
何かを心の隅っこに残されて、それが何か分からなくて、考え始めたら眠れなくなりそうだ。
分け合って生きる人たちを観る映画なのだろうか。コネクションを使って大臣を動かしたり、大金をポンと出して一気に解決なんてことではなく、それぞれがそれぞれのポケットから出せる範囲の善意をそっと差し出してなんとかしようと。
現実社会ではあんなふうに事は進まないだろう。そう感じてしまう人たちに問いかけているような気がする。登場した人たちは特別な人たちでしたか、と。