爆裂BOX

マッド・ホステルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

マッド・ホステル(2010年製作の映画)
2.9
家賃を払わず好き勝手に過ごせる空き家を発見したモリ―達4人の美大生。浮かれた彼らは夜通しパーティーを楽しむが、翌朝目覚めるとすべてのドアと窓が閉ざされており…というストーリー。
アイルランド産のシュチエーションスリラーです。
壁の穴から助けを呼ぶ4人を突如流し込まれたガスが襲う。次に目覚めた時、仲間のトビーの姿が消えており、という内容です。
内容的には「空き家だと思って侵入した家に殺人鬼が潜んでおり、お仕置きされる」というありがちなストーリーです。主人公達は美大生ですが、貧乏だから家賃払わず好き勝手に過ごせる空き家に無断侵入してる自業自得なので可哀想とは思えませんね。「違法ではない」と最初の方でたびたび言ってたけど、本当なのかな?そんな事ないと思うけど。
舞台となる廃墟の雰囲気などは良く、戸棚開けると衣服がボロボロ落ちてくるけど、全部血塗れだったりという演出も良かったですね。朝起きて、食事しに出掛けようとすると、ドアや窓が全て内側からボルトと鉄板で塞がれているという演出も良かったと思います。
そこから殺人鬼に一人づつ拉致されて解体されたりしますが、肝心のショックシーンは直接的な描写が無いので物足りないことこの上ないですね。拘束されて目玉引き出される所が一番グロい感じだけど、そこも横から撮ってるからイマイチグロさ低く感じます。足切る所もシーツに血が飛び散る表現だけですし。
リーダー格のトビーが捕まってからは、ひたすらメソメソしてるヘタレ男子のルークと女子二人がひたすら泣き喚いて廃墟内を逃げ回るだけの展開が続きます。
殺人鬼は防護服みたいな手術着?着たマッドなドクターですが、結構なお爺ちゃんで迫力や不気味さは正直感じません。お爺ちゃんだから主人公の反撃喰らったらアッサリダウンしちゃいますし。不死身って訳でも無くて、ホラー映画あるあるで主人公達が止め刺さずに逃げようとしたりするので死んでないだけと感じちゃいましたね。主人公達の裏をとって追い詰めるけど、これもドクターが頭いいんじゃなくて主人公達がアホだから追い詰められてるだけと感じました。ドクターの正体は新聞記事でチラッとだけ語られますが、何したいのかが最後まで解らなかったな。ただただ自分の家に侵入した奴らにお仕置きしたいだけなのか。
冒頭で10年前の少女失踪事件のニュースが流れますが、これもラスト以外はほとんど絡んでこないですね。ドクターはデイジーに人肉を与えて獣の様に飼いならしてたみたいだけど、その目的も不明ですね。
廃墟の雰囲気とかは良かったんですが、後は中途半端な凡作という感じでしたね。尺も80分と短いんでこの手の監禁物大好きで暇があれば見てもいいんじゃないでしょうか。